電力自由化時代の新規事業研究

電力自由化の時代に向けて、何が出来るか、世の中のためになるのか検討していきます。

再生エネルギーの転売の見直し

   

pvwind

4月1日の日本経済新聞に下記の記載がありました。

「経済産業省は、太陽光などの再生可能エネルギーでつくった電気について、電力の小売会社が市場で転売して利益を得ないようにする。2016年4月から、電気の市場での販売価格が小売業者が再生エネを仕入れる価格を上回る場合、差額をすべて国の機関に返す仕組みを導入する。」

詳細は下記のURLをご参照ください。

http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150402/412320/

これは、「太陽光発電で発電した電力を+1円で買取ります」というようなサービスで買い取った電力についての使い方の制限にかかるものではありませんが、新電力会社の運営に影響が出てくる変更です。
新電力各社では3%ルールにより電気の需給バランスの調整をしています。
電気が不足していたり、余剰がある場合に、日本卸電力取引所を通じて取引をすることになります。
例えば下記のような例を考えてみます。
・この取引所で14円/kwh価格で取引されるとします。
・太陽光発電での電力は回避可能原価で調達することが出来るため約10円程度で調達可能です。
・太陽光発電での電力をそのまま卸電力取引所にて販売すると4円の差額を得ることが出来ます。
このような形で再生エネルギーを調達→卸電力取引所に販売ということが出来るため、この制度を見直ししようとしているのではないかと考えられます。
現在、新電力各社は再生エネルギー由来の電力等について、通常決められた価格から+1円などのプレミアム価格を付けることで電力の調達を行っています。今後の家庭用の電力自由化に向けて電力を確保しておきたいと考えているからではないでしょうか。今までは余剰がある場合は卸電力取引所にて取引をすることで若干の利益が出ると判断していたと思いますが、制度の見直しにより大量に余剰電力が出てしまった場合等、経営に大きな影響が出てくることが懸念されます。
<参考>

太陽光発電のプレミアム価格買取

http://www.mat-plan.jp/pv/post-100/

日本卸電力取引所(JEPX)とは

http://www.mat-plan.jp/pv/post-65/

 - ビジネスモデル, 再生エネルギー, 新電力(PPS), 日本卸電力取引所, 電力自由化 , , ,

google PC用

google PC用

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

スマートメーターがやってくる

自宅の集合住宅の掲示板にてスマートメーター設置のためのテストのお知らせがありまし …

関西のセブンイレブンが東京電力に切り替え

お盆のころのニュースでしたが、セブンイレブンが関西の店舗の電力を東京電力に切り替 …

ネガワット取引とは

前記事でも少しだけ触れていたネガワット取引についてまとめてみました。 ネガワット …

新エネルギー小委員会(第8回)を受けて①

前記事などでも記載のとおり、現在、太陽光発電を初めとした再生エネルギーの発電量が …

no image
託送料金10社出揃いました。

小売向けの託送料金 10社出揃ったようです。 今後の制度の行方を注目していきたい …

風力発電

風力発電では風の力を利用して、風車を回し、その回転力を利用して 発電します。 風 …

電力小売ではクリーンな電力という表現は使えず、”FIT電気”という表現に

先日の経済産業省の会議にて固定価格買取制度(FIT)を利用した再生エネルギーを調 …

エナリス 元グーグル日本法人社長の村上憲郎氏が新社長に就任

    新電力にて新たなサービスを打ち出してきたエナリスの社 …

新電力(PPS)とは

電力自由化に向け、新電力(PPS)という言葉を聞く機会が増えてきました。 新電力 …

再生エネルギー賦課金について考えてみた。

あやぱぱさんのブログを受けて、久々に頭の体操をしてみました。 再エネ発電賦課金っ …