電力自由化時代の新規事業研究

電力自由化の時代に向けて、何が出来るか、世の中のためになるのか検討していきます。

発電コスト

   

前記事において電力事業におけるコスト構造の一つに発電コストがあると書きましたが、実際の発電コストはどのように決められているのでしょうか。

いくつかの指標を出してみたいと思います。

①経済産業省における試算(コスト等算定委員会(平成23年12月19日))
http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/past/003/pdf/003_004.pdf

まずは計算した結果から(すべて1kWhあたりです)
・原子力 9円~
・石炭・LNG 10円
・風力、地熱 ~10円
・太陽光 10円~20円
・分散型電源 10円~20円

分散型電源はネガワット取引などによる削減を指しているものと考えられます。
また、電気代がベースになるため、少し発電コストと異なるかもしれません

②回避可能原価

『回避可能費用とは、電力会社が再生可能エネルギーを買い取ることにより、本来予定していた発電を取りやめ、支出を免れることが出来た費用をいう。』
(資源エネルギー庁説明)
一般電気事業者が電気を作らずに買取った場合に(買取り金額を除いて)コスト削減できる費用になりますので、発電における限界コストの基準になると考えられます
この値を用いて再生エネルギーの買取単価と付加金が決められています。

例えば、特定規模電気事業者における平成26年11月の単価は9.65円/kWh(平成26年3月31日以前設備認定分)となります。

④電力卸電力取引所からの調達
以前の記事(http://www.mat-plan.jp/pv/post-65/)で述べた取引所からの調達です。

例えば昨年度の取引額の推移です

spot

およそ15円/kWh前後を推移しています。

③発電コストの試算シート
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/npu/policy09/archive02_shisan_sheet.html

発電コストを自身で計算したい場合にはこのシートを使って計算をしていくことになります。

このように、日本国内における発電コストは10円~20円程度になるのではないかと考えられます。
地域、時間帯、季節などによって変動していくものではありますが、念頭に置きながらビジネスモデルについて研究していきたいと思います。

 - ビジネスモデル, 新電力(PPS), 日本卸電力取引所, 経済産業省, 電力自由化 , ,

google PC用

google PC用

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

  関連記事

スマートメーターがやってくる

自宅の集合住宅の掲示板にてスマートメーター設置のためのテストのお知らせがありまし …

エナリス 元グーグル日本法人社長の村上憲郎氏が新社長に就任

    新電力にて新たなサービスを打ち出してきたエナリスの社 …

太陽光発電の30日ルールの見直しについて

NHKにて「再生可能エネルギー買い取り義務 見直しへ」とのニュースが流れました。 …

2015年の電力自由化の動向

  2015年 今年もよろしくお願いいたします。 2015年になり、今 …

再生可能エネルギー技術入門講座

資源エネルギー庁が企画した「再生エネルギー技術入門講座」を開講いたしました。 h …

日本ロジテック協同組合の未払問題

日本ロジテック協同組合が地方自治体から購入している電力について未払いを起こしてい …

ネガワット取引とは

前記事でも少しだけ触れていたネガワット取引についてまとめてみました。 ネガワット …

PV-NETイベント「電力自由化 社会はどう変わる?市民はどう関わる?」

太陽光発電所ネットワークのイベントに参加してきました。 個人として興味がある部分 …

電力自由化EXPO 基調講演メモ

先日、関西で行われた電力自由化EXPOの基調講演のメモを取っていたので、アップし …

FITで調達した電気はクリーン電力ではない

2016年4月より一般家庭にも電力自由化となります。 電力自由化では東京電力など …